葛飾でひっそり暮らすIT屋の G Suite メモ

Google Apps で快適業務ライフなノウハウを伝えます

レッドオーシャンは実は宝の山だ!? - 書評: 戦略は「1杯のコーヒー」から学べ

季節が変わり、涼しくなったところで早速寝冷えでお腹ピーピーです、松井です。

先日、中経出版ならびにオルタナブロガーである永井孝尚さんの計らいで本書をいただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。

手元に届いてから数時間で読み終えて、このエントリーを書くために読み返したところですが、いろいろな面での学びがありました。いろいろあったので、どれを書くか迷ってしまいました。

全体を通して感じたことは、この本は事業の生存ストーリーであるなということです。決してマーケティングの教本という小さな括りで収まるものではありません。

「コーヒーを売る」という事業を通して、組織としての在り方、価値の見出し方、市場の分析、そして商品に対する情熱。これらを部分的に扱うのでなく、全てを含んだ物語として描いたことで、市場の中で生き残るための方法を具体的かつ現実的に学ぶことができます。

そんなわけで、テーマとしてとても大きいので全てに関して感想を書こうと思うと日が暮れてしまいそうです。僕も意外なことに暇ではないのでなるべく書くことを絞りました。

ひとことでいうと、「レッドオーシャンこそ、事業が生き残るに最適な環境である。」ということです。

本書の内容について書く前に、著者について僕が感じたことを少し。

著者の公式ウェブサイトやブログを見ると、度々「バリュープロポジション」という言葉を見かけます。自社の独自性を見出し、立ち位置を決める。著者はこの考えをもとに活動を行っていることが伺えます。

この考え方は本書にもきっちり反映されています。

本書では、コーヒーショップを営む会社が生き残りをかけてプロジェクトを立ち上げ、成功するまでを小説風に綴っています。

その中で印象的だった一コマ。

「ドリームコーヒーで新事業を立ち上げる。しかし高津珈琲も他の珈琲会社もライバルではない。同じコーヒーを愛する同志だ。コーヒー好きの人が増えることは、お互いにとっていいことなんじゃないか?この多様化の時代に、市場シェアだけを競い合うのは無意味だ。いいものは互いに尊重しあうべきだ。競争はやめて、我々は顧客のことを中心に考えるようにしたい。」

これこそが、著者の考えるバリュープロポジション。

競争優位に立つためではなく、市場そのものを成長させるための自社の役割を見出すことが重要であるというメッセージに思えてなりません。

市場が成熟していく中で、競争に疲れてしまうのではもったいない。市場とともに顧客を育てていき、本当に価値のある商品だけが生き残る環境を作ることが、事業体の至上命題なのだと感じます。

この視点を得ただけでも、本書を読んでよかったと思えます。

この他にも、多くの組織が抱えている問題。横のつながりや合理化の弊害などにも話が及んでおり、本書を読む人の課題に合わせて得られる学びが変化するのではないでしょうか。

マーケティング、経営戦略、組織の組み立て。それぞれを教科書として作ると3冊読まなければいけないところですが、本書のように物語として書かれているとすべての要素を自然につなげることができるのですね。

もし、本書を読んで、自身の課題を見つけたならば、その課題に関する専門書を読むことで、より課題解決に近づけるのではないかと思います。

漠然と価値を模索している方には特にオススメです。